解決事例紹介~刑事事件(不法在留)~
◆事件の概要◆
外国人(ネパール国籍)が旅券不所持及び不法在留(約1年)の罪で逮捕、勾留された事件
◆処分結果◆
不起訴、釈放後入管引渡し
◆弁護士のコメント◆
Aさん(依頼者)は、日本語を上手く話すことができなかったため、通訳人を付けた上で何度も接見(面会)に行き話を伺いました。
そして、検察官に対し、Aさんのビザが切れてしまった理由や更新ができなかった理由を丁寧に説明し、他に余罪がないことや悪意などがないことを説明しました。また、Aさん自身が母国への帰国を希望していることや日本に再度入国する意志がないことを伝えたところ、不起訴、釈放処分となりました。
Aさんからは、「逮捕後とても不安であったが、逮捕後の流れを説明してもらったり、家族との連絡を密に行ってもらったのでとても安心した」というお言葉を頂けましたので、弁護士としても嬉しく思いました。
弁護士として、依頼者に有利な処分を獲得することはとても大切ですが、それ以上にまずは依頼者の精神面をサポートし、少しでも不安な点を取り除いてあげるということが大切だと思っております。
外国人の方が逮捕された場合は、通訳人を付けないで弁護活動をすることもできますが、不正確な言語により誤った情報が伝わる危険性もあるため、たとえ弁護人が当該言語にある程度精通していたとしてもプロの通訳人を付けた上で、正確に意味を理解してもらうことが重要です。
また、留置施設内では日本語以外での会話をすることはできませんので、ご家族やご友人が面会に来たとしても母国語を話すことができず十分なコミュニケーションをとることができません。
そのため、逮捕段階ですぐに弁護士に依頼し、通訳人の手配をしてもらうことがとても重要です。